カモネギ店長です。
今回は、「買取価格を左右するオートオークション相場の正体」についてお話ししたいと思います。
この知識があるだけで「車の査定額の決まり方」が理解できる上に、査定額UPの可能性も期待できるので、「愛車を少しでも高く売りたい」という人は、ぜひ最後までお付き合いください。
「車一括査定サイト」で査定を依頼すると、複数社から査定員がやってきてあなたの愛車の買い取り価格を提示してくれます。
その際、あなたが提示価格に納得いかず愛車の売却を渋ったとすれば?
そんな時に査定員が高確率で放つ「罠ワード」があります。
それが…
「オークション相場が〇〇万円なので、どこに依頼しても買取金額は変わりませんよ!」
つまり…
「買い取り価格はオークション相場で決まるので、どこも提示金額は変わらないですよ。だから今、売ってください」ってことです。
もっともらしいセリフにもっともらしい資料の提示。
「オークション相場とはなんぞや?」も知らないのに、なんだか説得されて低価格で愛車を手放すことになる…
そんなことになりたくないでしょ?
ってことで今回は…
「オートオークション相場のなんたるか?も知らないのに、なんとなく査定員に丸め込まれて愛車を安く手放そうとしているあなた」を救うべく、「買取価格を左右するオートオークション相場の正体」についてお話ししたいと思います。
こいつを理解するだけで、「車の査定価格に関する疑問」の8割くらいは解明できますよ。
さらには、安く買いたたこうとする査定員の罠まで見事攻略することができるようになるので、ぜひご期待ください。
っということで、さっそく始めていきましょう。
目次
【売る前に決まってる?】車の買取価格を左右する「オートオークション相場」の正体
さて、いきなりの本題ですが、「車の査定額の根拠」といっても過言ではない「オートオークション相場」
こいつの正体についてお話ししたいと思います。
オートオークションというのは、簡単に言うと「中古車のセリ」のこと。
魚で言えば「豊洲(昔は築地)」的な存在です。
オートオークションは全国各地に存在し、その出品台数は年間700万台以上。
700万台?
そう、半端ない数です。
なんでこんなに多くの車がセリにかけられているかというと?
オートオークションが中古車の「売却・仕入れ」の主な手段だから。
例えば買い取り業者。
彼らは、ユーザーから買い取った車をオークションで売却して差額を利益にします。
そして、中古車販売店をしているような小売店はというと…
オークションで仕入れた車に利益をのせ、店頭で一般客に売って利益にします。
つまり、オートオークションは「売りたい」業者と「買いたい」業者が集まって売買する場所なので、「日本中の中古車が集まる場所」ってことになりますね。
オートオークション会場には、全国の中古車が集まり、毎日のようにセリが行われる。
この「セリの相場」が「オートオークション相場」ってことになります。
中古車のあらゆる価格はオークション相場で決まる?
さて、「オートオークションが、全国各地で行われている中古車のセリ市場」ってことはご理解いただけたと思います。
ってことで次は、「オートオークション相場が中古車価格に与える影響」についてお話ししますね。
結論から言ってしまうと、「オートオークション相場が中古車のあらゆる価格の基準になる」ってこと。
例えば「小売価格」
小売価格というのは、「中古車屋さんが店頭で一般のお客様に販売する時の価格」のこと。
で、この小売価格はオートオークション相場から多大な影響を受けています。
どういうことかというと…
中古車屋さんは、仕入れの多くをオートオークションに頼っています。
オークションから仕入れてきて、それに利益を上乗せして販売するわけですね。
じゃぁ、オートオークション相場が高騰して仕入れ値が爆上がりしたらどうなるか?
結論、「小売価格も上げざるをえない」。
だって、仕入れ価格(原価)が上がっているわけなので、小売価格も上げないと「利益」が目減(めべり)してしまいますからね。
- 「通常」
仕入れ値:50万円+利益見込み:10万円→小売価格:60万円 - 「オークション相場高騰」
仕入れ値:60万円+利益見込み:10万円→小売価格:70万円
*「通常」と同じ価格で売ろうとすると利益が「0円」になる…
例)仕入れ値:60万円+利益見込み:0円→小売価格:60万円
今まさに(2022年現在)起こっているのがこの現象。
コロナ禍や半導体不足によって新車が売れない(生産できない)ため、市場から中古車が激減。
結果、高騰したオークション相場につられて小売相場も上がってきています。
で…次に、「中古車の買取り価格」はどうか?って問題。
実は、この「買い取り価格」もオークション相場の影響を受けます。
理由は簡単。
買取業者のビジネスモデルが、「一般客から安く買い取った車をオートオークションで売って、差額を利益にする」というものだからですね。
つまり、買取業者にとっては「差額」が利益なので、「オートオークション相場より安く買わないと利益がでない」ってわけです。
言い換えると「買取業者はオートオークション相場以上では買わない」っということ。
これが、「オークション価格が〇〇万円だから、どこも査定額は変わらないですよ」っていう査定員の言葉の根拠になっているんですね。
買取価格はオークション相場だけで決まるの?
「オートオークション相場が中古車価格に大きな影響を与える」ということは、ご理解いただけましたかね。
でもですよ?
「車一括査定」の買取価格は「オークション相場だけ」で決まるのでしょうか?
答えは…
NO!
そう…
NOなんです。
ここは「車一括査定で愛車を1円でも高く売る」という点において超重要ポイントなのでぜひ覚えておいてください。
ようするに…
時と場合、とある業者さんによっては「オークション相場以上で買い取る可能性もある」ってことなんです。
「え?でも買取業者はオークション相場以下で買い取ってオークション相場で売って差額を利益にするんでしょ?」
って思ったあなた。
正解です。
でも、それは買取専門店に限ったはなし。
買取専門店ではない「とある業者さん」は、条件次第で「オークション相場以上」で買い取ってくれる可能性もあるんです。
その業者とは…
小売業者
つまり、「小売店舗を持っていてなおかつ買取も行っている業者さん」です。
どういうことかというと、「買取」を主な生業(なりわい)としている業者さんは「オークションで売る」という販路しかありません。
なので、当然オークション価格より低い価格でしか買い取れませんよね?
でも、小売店舗を持っている業者さんはどうか?
小売店舗は、「オークションで仕入れて、利益をのせて小売り(一般の人に売る)する」ビジネスモデルなので、利益をすこし減らせばオークション相場以上で仕入れてもビジネスが成り立つわけです。
具体的に言うとこんな感じ。
- オークション相場:50万円
- 小売り価格:70万円
- 見込み利益:20万円(70‐50=20)
「オークション相場で買い取れば20万円利益が出るけど…55万円で買い取っても、小売りすれば15万円利益が出るから、まぁいいか?」って感じ。
小売業者はこんな選択が出来るんですね。
もちろん、この効果を期待する場合は「売る愛車が小売ウケのいい車である」必要はあります。
例えば…
「スズキアルトで10年落ちで15万キロ走行」みたいなのだと厳しいですが、「ワゴンR・黒・5年落ち・3万キロ・状態良好」とかだと小売りでも十分売れるので、小売店舗は多少無理をしてでも買い取ろうとする可能性はあります。
さらにいうと…
あなたの売ろうとしている車が、その小売業者にとって「待ちに待った車」だとしたら?
例えば、小売業者さんが、自分のお客さんから「探して!」って言われている車だったとしたらどうか。
多少どころか…
結構無理します。
だって、買い取れれば売れることは決定してるわけですから。
絶対売れるなら、多少利益が少なくても仕入れますよね?
っということで少しマニアックな話しになりましたが…
車の査定額はオートオークション相場の影響をモロに受けます。
でも「オークション相場だけに左右される」わけではないってことです。
この事実を知っているだけで、査定員が放つ「オークション相場が〇〇万円だから、うちの査定額は妥当!」といった「即決をせまる罠」から抜け出すことができます。
さらに、上手く行けばオークション相場以上で売り抜ける可能性も出てくるのでぜひ覚えておいてくださいね。
「オークション相場は重要だけど、オークション相場がすべてではない」ってこと。
これ重要です。
まとめ
さて、今回は…
【車の買取価格を左右する「オートオークション相場」の正体】についてお話ししてきましたが、ご理解いただけたでしょうか?
まとめるとこんな感じです。
「オートオークションとは?」
- 日本全国から集まった中古車のセリをする場
- 中古車販売業者にとって、「売る」「買う(仕入れ)」の主な手段
↓↓↓
買取業者は買い取った車をオークションで販売して「差額を利益」にする
↓↓↓
結果…
【買取業者は基本「オークション相場以下」でしか買い取れない】
この理屈を知っていることで査定額の根拠が理解できますし、査定の際に「査定員が言ってることがよくわからなくて不安になる」っということもなくなります。
さらに、「オートオークション相場とはなにか?」を理解することで、査定額UPの可能性も期待できるでしょう。
- オートオークション相場が買取価格(査定額)のすべてを決めるわけではない
- 店舗で小売りをしている業者さんは、「オークション相場以上」でも買い取る可能性がある
特にこれら2点は重要。
「売ろうとする車が他の人も欲しがるような車」
つまるところ、「小売り向きな車」の場合は、オークション相場以上でも買い取ってもらえる可能性があるので、査定に出す前に「自分の愛車はどうかな?」と確認しておくことをおススメします。
「小売向きな車かどうか?」を調べる方法としては、「カーセンサー」という中古車販売サイトで自分の愛車と同じものがいくらくらいで売られているか?を見てみると良いですね。
小売サイトに提示されている価格は小売価格なので、その価格で買取してもらえるわけではないですが、人気のある車であれば「車体価格(小売価格)の70%」くらいで買い取ってもらえる可能性はありますよ。
ぜひお試しください。
車の査定額に多大な影響を与えるオートオークション相場。
こいつの正体を知っておくだけで、全く違った査定交渉が出来るようになるので、査定に申し込む際は必ずおぼえておいてくださいね。
きっと役に立つと思いますよ。
っということで、今回はこのへんで。
最後までありがとうございました。